口腔機能低下症(咬合力低下)
こんにちは、メンテナンス担当の歯科衛生士です。
いつまでも元気に食べて・笑って・楽しくおしゃべりするために、「口腔機能低下症」を
予防して「お口の衰え」をくいとめましょう。
今回は、咬合力低下についてお話します。
咬合力低下の判断として、現在の歯の本数により評価します。
残根と動揺度3の歯を除いた歯の本数が20本未満の場合、咬合力低下状態と判断します。
歳を重ねて高齢になってくると歯磨き・口腔内のケアのチェックがうまく
出来ずに口腔内が汚くなり、歯周病やむし歯が増えてきます。
それによって歯がなくなり、さらに噛む力が衰えてきます。そうなると食べこぼしや
噛み切れない物が増え食欲がなくなったり、食べられなくなってしまいます。
加齢とともに歯が抜けることも*オーラルフレイルに関係しています。
(*オーラルフレイルとは加齢による衰えのひとつで、食物を噛んだり飲み込んだりする機能が低下したり、
滑舌が悪くなったりするなど“口”に関連する機能が低下しつつある状態のことを指します。)
歯の本数が少なくなることで当然噛む力は弱くなり、一般的に残存歯が20本
未満になると咬合力は低下すると言われています。残存歯の本数で噛むときに
加わる力が違い、多ければ多いほど力が加わり硬いものをかみ砕くことができます。
歯周病や虫歯の治療をついつい後回しにしているうちに、気が付いたら歯が
ボロボロになり、歯を失う原因になってしまいます。
また、抜いた歯をそのままにしておくと、周囲の歯が動いてきてしまい残りの歯に
負担がかかり、歯の寿命も縮めることになります。そして失った歯は、
入れ歯で補うこともできますが、やはり装着したときの不快感などは抵抗が
ある方もいらっしゃるのでこれも、食習慣に悪影響を与える要因と言えるでしょう。
歯が無くなると、その分食べ物をかみ砕く能力が低下し、硬いものが食べられなくなります。
このため、歯が無くなってしまった部分を補って物を食べられるようにする必要があります。
歯が無くなってしまった部分に対する治療法は3種類あります。
①:ブリッジによる治療
②:入れ歯による治療
③:インプラントによる治療
お口の中の状態に合わせて最適なものを使って治療を行う必要があります。
人間は噛むことによって、だ液が分泌されますが、だ液には食べ物の消化を
助けてくれる作用があると同時に、口腔内に溜まる雑菌の繁殖を防ぐ効果も
あるためだ液量の減少もオーラルフレイルを加速させる一因になります
口腔内を良い状態に保ちいつまでも健康な体で過ごしましょう
次回は、舌口唇運動低下についてお話します。
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